「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

跳んだ!菊之助ナウシカ

12月6日に幕があけた『風の谷のナウシカ』。3日目の12月8日に、主演のナウシカを演じる菊之助丈が、ケガをして演出などが大幅に変わったことは、9日のブログにも書いた通りです。

munakatayoko.hatenablog.com

 

左の肘の骨にひびが入ったとのことで、演出もかわり、宙乗りもカットとなっていました。

私が観に行ったのは、11日でしたからケガ後2日めのこと。

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引幕もまた美しい

 

初めてみる「風の谷のナウシカ」は、感動的な内容でしたが、菊之助丈は、膝をつけ、少し内股気味の女方の型で、左手は動かさず、最後のカーテンコールのときは、何だか申し訳なさそうな顔をしているのでした。演出変更前の舞台を見ていなかった観客にとっては、演出的には何ら気になる箇所はなく(主観ですけれど)、ケガをおして好演する菊之助丈には惜しみのない拍手が送られていました。ただ「もっと堂々としていていいのに。ナウシカなんだから」と思っていましたが、菊之助丈は、少し悲しそうな顔をして「申し訳ない」「申し訳ない」という顔で三方に向かってお辞儀をしていたのです。

 

その後、昼の部、夜の部を一度ずつ見る機会がありましたが、11日のときから徐々によくなっており、そのせいか次第にナウシカは堂々としてきました。

13日に夜の部を見たときには、オペラグラスを覗いて思わず「きれい」とつぶやいてしまったほど、美少女度が増していました。女形の型にはとらわれず、すっくと立ち、顔を上げ、凛とした美しさを見せていました。化粧も変えていたように思います。

ことに13日は、見ている自分もケガのことをすっかり忘れるほど美しいナウシカでした。カーテンコールでも強い意志を感じました。

 

その翌日。「菊之助が跳んだ」という吉報をツイッターで知りました。

 

ケガからわずか9日後。無理はしないでほしいと思いますが、きっと大丈夫。無茶な判断はしないはず。

 

夜の部では、しんしんと雪のように胞子が降り積もるというシーンがあって、とても美しかったのですが、本来そこで所作事、菊之助丈の踊りがあったはず。

 

千穐楽までに、そこもやるのかどうか。気になるところです。

 

もちろん、そういったものがなくても、大道具、小道具、舞台、衣裳、他の俳優たちが素晴らしい活躍をして見せてくれるので、今から観に行く方は、どうぞお楽しみに。

 

さあ、あと1週間。最後まで、ワンチームで全力疾走で頑張ってほしいものです。

【追記】

12月19日(木)の夜の部より、所作ごとも再開したそうです。

おめでとうございます。

個人的には2日違いで見られなかったのは残念!想像の翼を広げます。

また、ディレイビューイングで2月14日から前編、28日から後編を映画館で観ることもできますので、見逃した方はどうぞ。

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