「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

5月歌舞伎座団菊祭の見どころ

5月の歌舞伎座のざっくりご紹介です。

5月は毎年団菊祭と銘打って、菊五郎劇団と成田屋さんのガチンコですが今年は十二世團十郎5年祭。海老蔵さんの父上である十二世團十郎さんが亡くなってそんなにたつのですね。

 

『雷神不動北山櫻』

市川海老蔵が5役やるそうです。ファンはお見逃しなく。

内容は、成田屋のお家の芸である歌舞伎十八番の中の「毛抜き」「鳴神」「不動」が盛り込まれています。これはどれもわかりやすくて面白いのではないかと思いますが、それをつなげるとこんがらがってしまわないかな?と思いますが、海老蔵さんは、以前演じたときに

「端的に言うとこの物語は御家騒動なわけです。その軸から考えれば『鳴神』や『毛抜』は脇筋。とてもよくできているだけに、それが際立つだけでは名場面をつないだ印象になってしまいます。御家騒動の敵役である早雲王子と、彼が恨む安倍清行も僕が演じることで、大きな一つの物語として面白くなるのではないか――。そう考えました」

 と言っていました。(歌舞伎美人より)

ちょいと見に行ってきますね。その後またレポします。

鳴神を色仕掛けで誘惑する雲の絶間姫は菊之助です。妖艶でしょうなあ(´▽`*)


『女伊達』

女伊達…、かっこいい女の人ってことかな。4月にも悪婆っぷりを見せていた時蔵さんが喧嘩を仕掛けてくる男伊達二人をさんざん打ち負かすというもの。15分程度の舞踊劇です。一幕見なら、銀座にお出かけのついでに東銀座まで足を延ばしてみてはいかが?500円ですもの~。コーヒー飲むより安いわ。

女伊達:時蔵

男伊達:種之助、橋之助

 

【夜の部】

『弁天娘女男白浪』

白波五人男の中の部分です。これはやっぱり見てもらわなければ!見たことのない人はこれを機会にぜひ!

「知らざぁ言って聞かせやしょう」から始まる七五調の名セリフ。

河竹黙阿弥の流れるような美しい言葉。

そしてどこをどう切っても美しい名場面の数々。

大体、追われていながら一人ひとり自己紹介をして、お揃いの衣裳を着て、見得をきってというのがまあ全然リアルではないのですが、そこが歌舞伎の様式美ってところなんです。

私は昨年名古屋の中村座で観た七之助の弁天小僧がいまだに目に焼き付いて離れませんが、菊五郎の弁天小僧もとても楽しみです。

初めて弁天小僧を勤めたのが、22歳。30代40代と経験を積みながら工夫し演じ続け、現在75歳。

昔はべらぼうな美青年でしたが、今はちょっとぽっちゃり気味の菊五郎ですけれど、このお役のためにダイエットにもチャレンジしたそうです。

芸の神髄を見せてくれるであろう菊五郎の弁天小僧に会えるのが楽しみ♪

 

そして芸を次世代につないでいくことを意識して配役を決めているという菊五郎

平成20年に團十郎がやった日本駄衛門を海老蔵に。尾上松助がやっていた鳶頭は長男の松也にと配役を決めたそう。

そうそうかわいいお孫さんの眞秀ちゃんも今回出てきます。


『鬼一法眼三略巻』菊畑

人形浄瑠璃として1731年に初演。

「菊畑」は全体の中の三段目にあたります。

 

鬼一法眼が持っている兵法の奥義書「六韜三略」(りくとうさんりゃく)のうちの虎の巻をめぐり、鬼一法眼と虎蔵(実は牛若丸)・知恵内(実は吉岡鬼三太)が相談をするという話。

一条大蔵譚の前段にあたる話だそうです。私も観たことはないので、見てからレポしますね。

 

六歌仙容彩『喜撰』

これは、高僧である喜撰法師が茶汲み女を口説いて、チョボクレを踊ったり女性のふりをまねて踊ったりするユーモラスな舞踊。

以前ブログでシネマ歌舞伎の喜撰について書きましたので参考に読んでください。

munakatayoko.hatenablog.com

今回は菊之助ですので、こちらもまたとても楽しみです。

上半身は男、下半身は女で踊るのが口伝だそうですが、三津五郎の喜撰を超えることはできるでしょうか。楽しみですね。

一幕見の場合、喜撰は一番最後で、8時6分から。

おそらくそれほど混むこともありませんから、お勤め帰りでも東銀座に行って、仕事の憂さを晴らして家路についてはいかがでしょうか。800円ですもの、一杯飲んでクダを巻くよりずっと心豊かにリフレッシュできますよ(^^♪

■ 一幕見の発売予定時間と料金■

一幕見は、以下のような発売予定時間と料金になります。

 

【昼の部】 発売予定時間 料 金 上演開始時間

『雷神不動北山櫻』発端・序幕
10:30-  800円 11:00-

『雷神不動北山櫻』二幕目
11:15-  1,200円 11:57-

『雷神不動北山櫻』三幕目・大詰
12:15-  1,500円 1:30-

『女伊達』
1:45-  500円 3:30-

【夜の部】 発売予定時間 料 金 上演開始時間

『弁天娘女男白浪』序幕・二幕目
3:35-  2,000円 4:30-

『鬼一法眼三略巻』菊畑
4:45-  1,200円 6:42-

六歌仙容彩『喜撰』
6:55-  800円 8:06-