「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

2018年2月 歌舞伎座

一幕見ツアーを何にするか悩みつつ、楽しく昼夜を観てきました。

【昼の部】

◆春駒祝高麗 高麗屋の襲名をお祝いする華やかな舞踊です。パッと幕が開けば、富士山に紅白の梅でこれだけでもめでたい感じ♪

◆一條大蔵譚 これもおすすめです。あほかと思われていた殿様が、実はあほではなかったというお話。20年以上もあほのふりをしているのも大変ですね。一瞬キリっとして、ふたたびあほに戻るというところが見どころです。

いろいろな役者がそれぞれ違う大蔵卿を演じるし、上演の機会も多いので、一度みておくとよろしいかと思います。

先日、イヤホンガイドの解説者・奥田健太郎さんのお話を伺う機会がありました。

「20年もあほの真似をしていて、一瞬のスパークとして正気に戻る。まあ、何十年に一度しか咲かない月下美人のようなものですわな。

苦渋のスパークを演じる吉右衛門

楽しくやわらかな仁左衛門

とにかく美しい菊之助。いろいろな大蔵卿がいます」

とおっしゃっていました。私は昨年種之助クンの大蔵卿を見ましたが、これは

「とにかくかわいい種之助」でした。

新・幸四郎はどうでしょうか。

 

◆暫 市川家の十八番です。一番歌舞伎の良さが見られるかな。ストーリーはいたって単純。悪い奴らに「おい、まてよ!」という、ただそれだけのお話です。

ぜひ衣裳にも注目していただきたいです。

◆井伊大老 しんみりとする新歌舞伎。

【夜の部】

◆熊谷陣屋 主君の思いを忖度して、敵の首ではなく、自分の子供の首を討つという今ではとても共感できないお話ですけれど、名作なのです。

◆木挽芝居賑 「芝居前」 と言われています。「芝居前」というのは、舞台を江戸時代の芝居小屋に見立てて、その前で襲名などの祝い事を見せることを言います。

今回はもちろん高麗屋3代の襲名披露口上を芝居仕立てで上演。ちょっとコミカルで楽しくめでたい一幕です。

美少年と巷で噂の新・染五郎も「美少年などと言われてはおりますが、一日も早く立派な俳優となって」などというので、会場からは拍手喝さい。

初日から日にちがたつにつれ、「美少年と言われておりますが」のあとで、「ええ?」と新・幸四郎パパが振り返ってぎょっとするようなしぐさを見せるなど、ますます盛り上がっているようです。

中央上手に座る片岡仁左衛門は座頭役となっていますが、両花道にズラリと並んで一言ずつ祝いの言葉を述べる役者たちを、一人ずつ首を左に右に向けながら(両花道なので、いちいち右を向いたり左を向いたり)ニコニコとうなずく様子も心がウキウキして楽しい気持ちになります。

皆リラックスしていて、仁左衛門丈もセリフを間違えたり、今日は間違えなかったと「セーフ」と手を広げるなど、ファンにはたまらないアドリブも垣間見られます。

圧倒的な存在感を放つのはやはり玉三郎でしょうか、おかみさん役で登場して、場を締めます。

仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場

「七段目」と言われています。仮名手本忠臣蔵は、ながーいお話で、その中の七段目がここ。

今月、お軽と平右衛門を演じるのは、奇数日が玉三郎仁左衛門。偶数日が菊之助海老蔵です。

これですよ。今月なんといっても一番すばらしいのは。小さい声で言わせてもらえれば、「奇数日」ね。

今月というか50年の中で観るべき演目のひとつですよ。今生きているあなたはぜひ見るべき。

というのも私は多分40年ほど前に(ちょっと不確か、後で調べる)仁左衛門玉三郎の七段目を見ているのです。ん十年前ですよ。そこから年老いていないんです!それどころか、玉三郎なんざ全然かわいいじゃありませんか。20代前半に見えますよ。

まだ2月ですけれど、私の中では今年のベスト10入り間違いなしですね。

 

お軽というのは、軽い女だから「お軽」。ちょっと頭も軽めです。

とずらずら書いているとすっごく長くなってしまうので、省略。いつか書く。

で、今月の一幕見ツアー。何にするかですごく悩みましたが、「暫」にします。

本当は「七段目」が見たいけれど、一番最後の演目で、幕見が相当混むことが予想されるのですよね。お客様を連れていくにはちょっと予想がつかないので断念します。一人で観に行くならいいんですけれど。

 

「暫」。おおらかな荒事を楽しみましょう。江戸時代のデザイナーのデザイン力を愛でましょう。ユーモアセンスを楽しみましょう。

こちらが、申し込み先です。

 

初心者歓迎。観て知って楽しもう。歌舞伎ガイドが案内する「歌舞伎の世界」 | TABICA この体験が、旅になる。

 

2月22日(木)10時集合です♪