「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

春風亭一之輔 夏の毒炎会2017 

昨日は、夜は「春風亭一之輔・夏の毒炎会2017」を聞きに、国立劇場小劇場に行ってきました!

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昼間は一幕見ツアー。その後「骨折り損のくたびれもうけじゃ~~ん」的な心折れる事案が発生し、夜はこれ。

私にしてはかなりハードな1日となりましたが、毒炎会、かなりおもしろかったので疲れも吹っ飛びました!

こちらは無料の上演会。応募したら当たったのです。テレビに放映するというので、
テレビに映っちゃうなら、きれいな格好の方が良いのだろうか。
いつ放映なのだろうか。
今日だったらどうしようか。

などつらつらと考えて行ったんですが、上映されるのはCSチャンネルで、「この放映が見られるCSスカパーに今日加入すれば無料!」っつう話でした。なんだ、そういうことか。

 

見る人あまりいそうもないな。

7時から9時過ぎまで2時間一之輔師匠がしゃべりっぱなしということはなく、こんな感じ。

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▲雪之介の上が空欄(笑)。「太神楽」って書くの忘れちゃったんだな。


前座は、期待していなかったけどすごく面白かったです。古今亭駒次の「鉄道戦国絵巻」
もうドッカンドッカン観客も受けまくりで、私も「あっはっは!」と大いに笑いました。

となりは、落語が始まるまで「ちょっと悩んでいるんだよね」風な細めの女性と

「気にするなって。私、占いに行って結構スッキリしたの!今の自分を受け入れることが大事~?」みたいな慰めにならんような慰めをしている太めの女性がずっと抑揚のないお話をしていて、
面白そうで面白くなかったのですが、落語が始まったら大笑いしていました。

それで休憩時間に悩みの続きを話しているのが、ある意味すごいな!と思いました。

左のとなりのとなりは、浴衣を着こなした女性でしたが、この方の笑い方がとにかくすごくて、「あ~はっはっはっはあ!」とお腹を抱えて楽しそうで、その様子を聞いているだけでこちらも楽しくなってしまうほど。

私自身、大いに笑ってじつに気持ちがよかった。

鉄道戦国絵巻というのは、非道なJRに奪われそうな東横線が、周囲の私鉄に協力を得てJRと戦国時代よろしく戦うという新作落語
東京でしか受けないだろうと思われるのが気の毒なくらい面白かったです。

駒次鉄道|鉄道好きな落語家、古今亭駒次のwebサイト

鉄ちゃん落語家として頑張っているんですね!

一之輔師匠は、「鰻の幇間
鰻の幇間は、あれでいいのかな?幇間が最初は幇間っぽいけれど、最後の方は幇間っぽさがなくなっていて、ちょっと誰だろうってな感じになっていたような気がします。

仲入り後は、柳貴家雪之介の太神楽。背の高いイケメンのお兄さん。太神楽って、染之助師匠がやっているみたいなお皿を回したりする芸ですが、あれめっちゃすごいですよね。

昔から思っているけれどサラッとやっているけどすごくむずかしいですよね。
落としたりしないか、ハラハラドキドキしながら見守りました。包丁とか3つ重ねてクルクル皿を回したりするんですよ。回っている包丁ってきれいですけれど。

なんで始めたの?どのくらい練習しているの?どのくらい練習すればできるようになるの?なんで?なんで?なんで?とたくさん聞きたくて頭のなかいっぱいです。


最後は「らくだ」。「らくだ」の方が面白かったな。落語でももちろん、歌舞伎でも「らくだ」は何度も見ていてよく知っていることもありますが、丁寧な話しっぷり。


それにしても、どうして酔っ払いってああおもしろいんだろう。ホント、だんだん酔っ払っていく様が、亡くなった父にそっくりなんです。

てまあ、酔っ払いってのがそういうもんなんでしょうね。

みんなに嫌われて、どうしようもねえ馬鹿で乱暴ものの「らくだ」。

死んじまってああよかった!とみんなに言われてしまう「らくだ」。
こんなやつもいるんだねと思うと、「正しくあらねば」と日々真面目に生きようとしながら全然そうなれない自分も「まあいいか。らくだよりマシだわ。死んだら誰かひとりくらい泣いてくれるだろ」なんて気持ちにもなりまさあね。

最後に一之輔師匠!

歌舞伎の悪口言わないでほしいな。(´・ω・`)


らくだもそうだけれど、歌舞伎と落語は同じ伝統芸能として通じる演目も精神もいっぱいあるんだ。昨日の観客の中で歌舞伎を見たことのない人が「そうか、師匠がそんなに言うなら、歌舞伎なんて見るのはやめよう」と思ったらどうするんだ。

なんて思ったけれど、「そういうのが「真面目馬鹿」って言うんだよ!馬ー鹿!」と一之輔師匠に言われそう(^_^;)

ちなみにどんな悪口を言っていたかというと
「歌舞伎なんざ、真っ白く塗ったくって化粧して、大道具、小道具、大仰にやりやがって、こちとら落語は、扇子一丁、すっぴんで勝負しているんでえい」とかその程度です。はい(^_^;)

そういえば、神田松之丞さんも似たようなこと言っていたなあ。

歌舞伎って、そんな風に揶揄されるものなのかな?
仲良くやっとくれよ。頼むよ!

と思った真面目馬鹿なむなかたでした。