去年のことなので少し前の話になりますが、「ワンピース」を観ました。
スーパー歌舞伎ははじめてだったので、なかなか衝撃的でした。
私が感じたのは、歌舞伎役者たちの演技力の確かさ、というか体ができているというか、腰がしっかりしている、フラフラしていないなあというところでした。
感心し、そしてそれまでよく知らなかった若い人たちをよく知ることになったので、観て良かったと思っています。
その後、スーパー歌舞伎ももっと知ろうと思って、シネマ歌舞伎でやっていた「ヤマトタケル」を観ました。
うーん。と考えざるを得ませんでした。
なぜあんなゴテゴテの衣装なのだろう。
なぜあんな変な化粧なのだろう。
クルクルと体はよく動くがそれなら外国の舞踊団でもできるではないか。
日本人だからこそできないことをやるのが歌舞伎ではないのか。
そんな気持ちがしてなりませんでした。
日本人だからこそ。
たとえば「籠釣瓶」で栄之丞が着物を着替えるシーン。
いなせですねえ。
「勧進帳」で冨樫が見せる弁慶への尊敬の思い。大仰な演出はなくとも一礼で分かり合える男と男。いいですねえ。
その他、歌舞伎にはそんな、日本人でなければ演じることができない美しさがいっぱいです。型も衣装も化粧も、すべて。
スーパー歌舞伎にはスーパー歌舞伎の良さがあるとは思うものの、やっぱり…。
ちょっと違う。
と思わざるを得ないのです。
なんでずいぶん前に観たモノの話を今頃?と思うかもしれませんが、ずっと心の中でもやっていたので、一度書いておこうと思った次第です。