「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

江戸糸あやつり人形結城座 

12月に、江戸糸あやつり人形結城座の、結城孫三郎さんを取材した。昨日やっと入稿できたので、ほっとしている。これで今年のお仕事もおしまいだ。

 

普段、文楽だ歌舞伎だと騒いでいるくせに、私は江戸糸あやつり人形結城座のことを今まで知らなかった。見たことも聞いたこともなかった。なぜ知ることができたかといえば、東京新聞に、コロナで存続の危機に合い、クラウドファンディングを始めた結城座が紹介されていたからだ。

 

また、コロナである。コロナがなければ知ることもなかった。不思議なご縁が今年はたくさんになった。

 

さっそく取材のお願いをしたところ、快諾してくれ、11月の「明日またタクボク~雲と劇場~」を観た。不思議で素敵で、鮮やかな舞台だった。

 

結城座は、1635年に江戸で旗揚げした。なんと、「伽羅先代萩」は、結城座のために書き下ろされたというし、あの平賀源内も結城座のために5本も芝居を書いているそうである。時代の最先端の人に書いてもらい、その時代でなければできない芝居をやる。その魂は脈々と代々の結城孫三郎に受け継がれ、現在12代目の孫三郎さんも古典ばかりではなく、新作にもガンガン取り組むし、海外にも行くしで、とっても魅力的で、パッションのある素敵な方であった。

 

それにしても江戸糸あやつり人形はすごい。板につけられた糸は通常20本くらい。多い場合には50本にもなるそうだ。その糸を見ないで、人形に感情移入して操っていく。まあ見ないでやるには相当の年季がいるようだが。

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12代目結城孫三郎さんが、お七を操ってくれた

 

そして、人形遣いたちは少し前かがみになりながら、板を持ち、糸を操り、セリフを言い、縦横無尽に床を歩き回る。孫三郎さんが首と腰を傷めたというのもわかる。傷めると思う。あの姿勢。。

時には、飛び降りたり上ったり。文楽や、棒をつけての人形劇と比べてもとても行動範囲が広いのだ。

 

私が見た「明日またタクボク~雲と劇場~」は、人形もすこぶる個性的な顔をしていたけれど、もちろん古典をやるときには、しっかりとした古典のお顔のお人形。

 

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稽古場にぶら下がる個性的な俳優(?)の面々

 

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古典で使われるお人形

新作をやるときは、その都度、世界観をしっかり持っている方に依頼するので人形も全然違う顔を作る人に頼むことになるそうだ。だからお人形がどんどんたまっちゃうんですって。

 

次は、どんな舞台だろう?どんなお顔の人形に会えるのだろう?と楽しみになるではないか。

 

古典は、「伽羅先代萩 御殿正岡忠義の段」や「本朝廿四孝 奥庭狐火の段」などが代表作とのことなので、ぜひ見てみたい。

 

クラウドファンディングも、目標の1000万円には届かなかったものの、直接の寄付も入れると、8189000円が集まったとのこと!よかったなあ。すごいことですね。

少しこれで息がつけるだろうか。

ファンがたくさんいることを私も知ったし、結城座の皆さんたちも、お金そのものもそうだけれど、精神的にとても力づけられたことだろう。ホームページでは深い感謝の意を表明している。

youkiza.jp

 

私の記事は、1か月後くらいにアップの予定。お楽しみに。

 

写真は許可を得ています。

 

追記

2月10日。アップを確認しました。こちらです。

smtrc.jp