「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

日本振袖始(にほんふりそではじめ)大蛇退治 派手な立ち回りが楽しい 

 

さて、11月の歌舞伎が終わりました。国立劇場の第2部は、千穐楽までゴールできませんでしたが、1部と歌舞伎座は、千穐楽を終えることができました。

みなさま、お疲れさまでした。

孝太郎さん、お大事に。早く回復されますようにお祈りしております。

 

さて、来週火曜には12月歌舞伎座の初日が明けます!演目のご紹介しますね。

まずは第4部から(どういう順?)

 

 

スサノオノミコトヤマタノオロチ退治って、誰でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。それを題材にして近松が書いたので、それだけでも面白そう!
わかりやすいし、美しいし、派手で歌舞伎らしさも堪能でき、楽しめます。
2018年には歌舞伎鑑賞教室でもかかっています。

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登場人物


岩長姫実はヤマタノオロチ 醜く生まれて美女を憎み、死後大蛇に化身した!日本中の美女を食い尽くすのが夢。こわっ!
稲田姫 長者の娘。いけにえとして捧げられる。
スサノオノミコト 稲田姫の恋人。かつて岩長姫に宝剣を奪われている.

 

あらすじ

美しい姫がいけにえに!


出雲の国では、ヤマタノオロチに、毎年美しい娘を生贄としてささげている。

今年の生贄は、稲田姫

ああ、無残なるかな。今朝まで、乳母たちにかしづかれて、蝶よ花よと育てられていたのに、今は独りぼっちで、びょうびょうと寂しく風が吹きすさぶ山の中にいる。

おとうさ~んと呼んでも、谷に響くだけ、おかあさ~んと叫んでも風が吹くだけ。ツライ。

そのうち風音も雨音も強くなって、あわれ稲田姫は気を失ってしまう。

 

岩長姫、酒を飲み干し、稲田姫を食う

 

どどうと谷の水音がにわかに大きくなったかと思ったらあら不思議。女が現れる。岩長姫だ。

これがすごい。

岩長姫は、死後に蛇に生まれ変わり、苦しんでいる化け物。美女を憎んで、この国の美女を全部食い尽くそうとしている大蛇ヤマタノオロチなのだ。すごいシチュエーションではないかいな!

稲田姫を見て美女がいたと大喜びして食おうとしたのだが、ふと何やらほわーんとよい香りに気づく。回りには大きな甕が8つ。そこには酒がなみなみと入っていた。

ついつい、一口、もう一口、岩長姫は徐々に酔っぱらってしまうが次第に大蛇の本性を出し、稲田姫を食べてしまう。

 

スサノオノミコトヤマタノオロチと戦う

そこに駆け付けたのは稲田姫の恋人スサノオノミコトだ。

スサノオノミコトは、以前岩長姫に宝剣を奪われていた。さらに恋人の稲田姫も奪われるなんて許せない!と、大蛇を退治するために、毒酒を仕込み、さらに稲田姫の袖の中にも名剣を潜ませていた。

岩長姫はヤマタノオロチとなって、スサノオノミコトと激しい戦いを繰り広げるが、ついに破れる。稲田姫は、ヤマタノオロチのおなかの中で飲み込んだ宝剣を探し出し、ヤマタノオロチの背中を切り裂き、飛び出て助かる。めでたしめでたし。

 

見どころ

酔っぱらう岩長姫

怪しい岩長姫が、酒を飲みつつ酔っぱらっていきます。そして大蛇になるのですが、分身が現れます。みな衣裳は、三角の模様がついていて、これはうろこを表し、化身の蛇の印。ほかの演目でも三角の模様の衣裳の物が出てきたら、ヘビの化け物ですよ。

こういうことがわかっていると豆知識として役に立つんですけれど、逆に副作用もあり。今放映中の大河ドラマ麒麟が来る」では足利義昭の衣裳をみるといつも「大蛇の化身かな」と思ってしまいます。余談でした。

酔っていくさまは


〽忿怒の酔に足引きの、山もくるくる、野もくるくる、かっぱと伏せば、乱れ心はただ一心

ですって。だいぶ酔ってきましたよ(;^_^A

 

〽やあん楊柳枝、楊柳枝、やあん鉄仙花、鉄仙花、咲いたは花よ、酒は八雲の猩々ころり、ころり、起きてはまろび、

楊柳枝は柳の枝のこと、鉄仙花はつる植物「鉄線」のこと。大蛇は酔いがまわって、植物や花の名前を挙げ連ねて歌っているんですって。

へべれけですね(;^_^A


そんなへべれけな大蛇の立ち回り。大変なことになりそうです。
楽しみにしてください。


8匹の蛇たち

そして、ヤマタノオロチなので8匹の蛇がひとつの大蛇になったり、それぞれ分かれて襲ってきたり、おおきくなったり、小さくなったりしつつ大立ち回りを演じます。

 

2020年12月歌舞伎座で演じる人

 

岩長姫実はヤマタノオロチ (玉三郎) 美しい人玉三郎が、こんな大蛇になるなんて!実は玉様、結構こういうお役も好きらしいです(笑)。

 

稲田姫 (梅枝) 美しいぞ!前月は、国立劇場で「文売り」を踊り、その美しさが評判となりました。12月も大いに期待できます。稲田姫は、なよなよしている弱っちい姫ではなくて、最後にはエイヤっとヤマタノオロチの背中を掻っ捌いて出てくる強い姫。そんな芯のしっかりした役もとってもお似合いです! イイゾイイゾ 楽しみ。

 

スサノオノミコト (菊之助) もう~!稲田姫を救い、奪われた剣を取り戻す美しきヒーローなら菊之助に決まり♪ 


〽弱るところをどうと投げつけ、こうべにしっかとふみまたがり、剣を返せ、姫返せと、角をつかんでねじつけたり

ですって。ワクワクハラハラ、楽しみましょう~。

 

上演スケジュールチケット情報

 

歌舞伎座12月

12月1日~26日

第一部 午前11時~
第二部 午後1時30分~
第三部 午後4時~
第四部 午後7時15分~ ←日本振袖始はここ。
※開場は開演の40分前を予定
【休演】8日(火)、18日(金)

 

1等席8,000円
2等席5,000円
3階席3,000円
1階桟敷席8,000円

 

チケットは、歌舞伎座木挽町広場チケット売り場、または

チケットWeb松竹 

 にて購入できます。

 

歌舞伎座アクセスはこちら

www.kabuki-bito.jp