「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

研辰の討たれ vol2 幕見ツアーで観る

先日、歌舞伎一幕見ツアーを開催しました。ゲストと共に観たのは「研辰の討たれ」です。

10時半チケット売り出し。9時半集合で観劇までの間に演目の解説や歌舞伎についてのお話をします。

11時から12時半まで観劇。今回はそこまでのツアーの予定でしたが、ゲストは一人だったし、お時間もあるとのことだったので、歌舞伎座ギャラリーにも行き、お昼も一緒にいただきました♪

 

研辰の討たれは、私は初日に見て2回目でした。

初日より、全然面白かったですね。

初日に見たときに、いまいちだなと思ったのは、おふざけ感が感じられたためです。

喜劇だからといって役者がふざけていいわけではありません。セリフが飛んで「初日ですからーー」とごまかすのはちょっとどうかなと思ったのです。それでブログにも岡鬼太郎さんの言葉を入れておいたのです。

munakatayoko.hatenablog.com

 

歌舞伎は、前月の芝居が終わって1週間たつかたたずで次の月が始まるので、初日にはセリフが入っていないことも多いんです。後ろに黒子さんがいてセリフをサポートしていることもよくあります。ですので、観客も「初日だもんね」と目くじらをたてないところがあります。それは致し方ないことだけれど。だからといって役者がそこに甘んじてはだめですよね。

 

そして臨んだ22日。千穐楽を3日後に控えたこの日。とてもおもしろい芝居になってました。(あ。幸四郎さんの声はかなりかすれていましたが。)

2回目でもあり、バッチリ予習復習したこともあり、こちらの理解が増していたこともあるかもしれません。

武士を馬鹿にしている町人上がりの武士VS町人を馬鹿にしている武士という構図もさることながら。

討たれる側は、必死で逃げる。必死だからこそ滑稽で、生きていたいという欲求にあふれている。一方で討つ側のむなしさや虚無感を吐露したセリフも心を打ちました。こんなやつのために長い時間を無駄に過ごさなければならないという虚無感や、しかし仇を討たなければ故郷に帰ることもできない。どうしようもないのだという絶望感。結局だまし討ちをしてしまうことに対する罪悪感。

 

そんなことが、笑いの中に見え隠れする、1時間半の作品でした。

 

なるべく早く今月のお芝居を見たい。でもかみしめて何度も見たい。少なくとも3回。できれば5回と観たいところですが、そうはいかず、うーんと思っているうちに、また次の月が始まる。あっという間に1年間が過ぎていきます。

初日と千穐楽とどっちをみるのがおすすめなんでしょうね。

 

以前「歌舞伎観劇は初日と千穐楽、どっちがおすすめ?」

https://allabout.co.jp/gm/gc/472496/

という記事を書きました。こちらもぜひ読んでみてください。

 

悩ましいなあ。