「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

6月歌舞伎座 昼の部 見どころ

6月の歌舞伎昼の部のご紹介です。

時間はこんな感じ。

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★妹背山婦女庭訓

三笠山御殿

 

妹背山婦女庭訓は、1771年(明和8年)1月に大坂竹本座で人形浄瑠璃で初演。

作者:近松半二・松田ばく・栄善平・近松東南ら。後見:三好松洛。歌舞伎での初演は同年8月

 

大化の改新(645年)が題材。

三段目の「吉野川」と四段目の「三笠山御殿」が上演回数が多いけれども、今回は「三笠山御殿」です。

 

時代物で、予習しておかないとちんぷんかんぷんになりがち。しっかり予習しておきましょうね。その場合も「三笠山」で予習しましょうね。「吉野川」は和製ロミオとジュリエットなんて言われていますが、今回のは見てても見ててもロミオとジュリエットになりません(;’∀’)

 

カンタンに言うと、悪人蘇我入鹿をやっつける話です。蘇我入鹿は超人的パワーを持つ悪人なので、そんじょそこらのやり方でやっつけることができません。必殺アイテムが必要です。ひとつは手にいれたけれど、もう一つのアイテムを手に入れるのが、今回のお話。

恋愛も絡んできます。しかも三角関係。しかもアイテムがらみで一人は死んじゃいます。

おもしろそうでしょう?

 

詳しくは別記事で書きました。こちらです。上の部分は重複しています。

妹背山婦女庭訓 三笠山御殿 - 「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

 

六歌仙容彩 文屋  舞踊です

1831年初演。六歌仙というのは、平安時代の代表的歌人6人が登場する舞踊なのですが、今は全部一遍にやらず一人ずつ独立した舞踊として行っています。先月は菊之助さんで「喜撰」でした。今回も菊之助さんで「文屋康秀」。

出から、菊之助さんひょんひょんひょ~~んと飛ぶが如く軽やかに登場。しゃれっ気たっぷりで楽しいですよ。

三笠山御殿でも、女官がずらりと出てくるのですが、なぜか文屋にも女官がずらり。

小野小町に会おうとするけれど、女官たちに取り囲まれてなかなか会えずあえなく退散します。

 

★野晒悟助 世話物です。

 

先日、歌舞伎夜話で米吉さんが言っていたストーリーが

米吉「モテ男がいて、金持ちの女の子と、貧乏な女の子がどっちも好きになるんですけれど、タッチの差で、金持ちの女の子が勝つって話でーす!僕が金持ちの女の子。貧乏な子は児太郎クン。たぶん児太郎ファンから、いやがらせが来るんではないかと。本当はあっちが金持ちだけど」笑。

 

ってことだけど、まずまずその通り笑。ただ、仁三郎ってのが仕返しに来たけれど、その日は悟助の母親の命日なので喧嘩はイカンと我慢をし、翌日やっつけるというお話です。

 

タッチの差で金持ちの女の子と結婚を決めるのはいいけれど貧乏の子に「お前とは来世な!」と約束するのは、ちといただけねえな笑。

 

そして、見どころは菊五郎劇団の最後の立ち回りです♪

これがもう、本当にいつもながらすばらしいんですよ。音羽屋の傘がズラリと並んでクルクル回るところは、圧巻ですよ~。

 

名優尾上菊五郎6代目は昭和24年に亡くなり、これからどーしよーとお通夜の席の会場の物干し場で一座のメンバーは緊急会議を開いたそうです。そのときに「菊五郎はいなくても、菊五郎劇団の名前は残して再出発しよう!」と決めたそうです。「物干し場会議」といって有名なエピソードです。

その時、今の菊五郎さんはまだ7歳ですよ。その後、今の菊五郎さんが「菊五郎」の名前を襲名するまでに24年かかったのですが、その間、しっかりと菊五郎劇団は伝統を残していたんですよね。

すばらしい国の宝だ~!

 

というわけで、昼の部、どれも見逃せませんな。「文屋」と「野晒悟助」は、特に予習も必要ないと思いますよ。

 

夜の部については、また後程。