「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

坂東彌十郎さんインタビュー&名古屋平成中村座へ

坂東彌十郎さんにインタビューをするために名古屋に行ってきました。

 

彌十郎さんというのは、お父さんは歌舞伎役者から銀幕のスターになった坂東好太郎さん。彌十郎さんは8代目坂東三津五郎に預かりに出たものの1年足らずで三津五郎がふぐにあたって亡くなる。その後守田勘弥に声をかけられるものの、2ヶ月後に亡くなり、商業演劇に出るなどした後に、猿翁の弟子となった人。苦労なさっているんです。12世勘三郎さんの幼馴染でもあり、そんなエピソードなどもたくさん伺いました。

こちらで用意したお部屋だったのですが、その部屋はなんと十八世中村勘三郎さんが、中村座開催の折にはひと月泊まっていたスイート。
大きな窓からは、ドーンと目の前に名古屋城が見え、下の方にはお堀。そしてわずかに中村屋のノボリもチラチラと。

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歌舞伎役者さんって、お話が上手な方が多いですねえ。やはり古典を読み込み、セリフを覚え、常に思考を巡らせているからでしょうか?
先日の笑之丞さんしかり。染五郎さんしかり。(このお二人は、インタビューではなくて講座を拝聴ですが)今回の彌十郎もまたしかり。

私は本職はライターで、特にインタビューが多いのですが

通常、インタビューをするとあとでテープを起こします。言い回しが変だったり話があっちこっちに飛んだりすることも少なくない。
しかし、今回のインタビューは、彌十郎さんがものすごくきちんとお話をされていたのが印象的でした。

このままインタビュー記事になりそうな気配。しないですけれど。

録音も通常はどんどん破棄しますが、これは永久保存版。

ワードに記録しましたが、HDにも保存。さらに紙ベースでも取っておこう!と決意!永久にな。

 

とても大きな方。身体も183センチあるので、大きいのですが、なんというか存在そのものが大きくて圧倒されました。

後日、再び名古屋を訪れ、中村座の舞台を観てきました。

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見たのは夜の部。

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七之助さんが、よかったですねえ。特に弁天小僧菊之助がよかった。あの赤襦袢ってのは、なんであんな素晴らしい「赤」なんでしょう。パッと見える鮮やかな赤がまだ目の奥に焼きついています。

そして、「弁天娘女男白浪」と「仇ゆめ」に彌十郎さんは出演。

取材の時のにこやかな笑顔とは打って変わってのド迫力。日本駄右衛門は、存在感をガガっと押し出すいつもの彌十郎さんだったのですが、驚いたのは「仇ゆめ」での揚屋の亭主。
61歳なのに、若いものの先頭に立って踊って、回って、走って、倒れて。と大活躍で主役を盛り上げていました。


これが、日々薄紙を重ねていくように「昨日より今日、今日より明日と上を目指して舞台に立っている」という話を聞いた後ですと、とりわけ感動的です。

 

どうぞ健康に気をつけて、千穐楽まで走りきってください。

 

記事にはできなかったエピソードは、いずれぼちぼちとこちらでも書いていきます。