「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

3月歌舞伎座 昼の部 明君行状記・渡海屋・どんつく 

歌舞伎座昼の部、明君行状記・渡海屋 大物浦・どんつくを観てきました。

【明君行状記】

血気盛んな青地善左衛門(亀三郎)のハリのある声のいいこと。殿様を尊敬しているんだけれど、本当に尊敬に値する殿様なのか本心を知りたいという随分一本気な若者。

 

対して殿様(梅玉)は小さい時から目をかけていた善左衛門のことが、愛しくてならない。命をかけて試してくる善左衛門に対して、なんとか命を救いつつ、まっとうな道に導くといった筋です。

 

人物は殿様が2枚も3枚も上手で、そこを梅玉がとてもおおらかに包み込むように演じていました。梅玉さんのお役はとてもよかったです。

ご本人は16年ぶり2度目のお役で、再演を熱望していたとのこと。当たり役になるのかな~。

なんだか観劇後、とても清々しい気持ちになるお芝居でした。

 

【渡海屋】

壇ノ浦で入水したはずの平知盛が実は生き残っており、平家再興の機会を窺いながら、結局は海の藻屑に消えるという話です。

 

渡海屋は、仁左衛門丈が素晴らしいですよね。そして、1944年生まれの仁左衛門さんは、73歳ですか。対する安徳帝を演じる右近ちゃんは6歳。

仁左衛門さんに全く負けない演技で堂々としていました。

仁左衛門さんと右近ちゃんが同じ舞台に出るところを観られたというのも、すごく幸せなことかもしれません。

仁左衛門さんはすべてにおいて圧倒していたという感じ。ものすごく源氏を憎んで憎んで憎んでいたけれど、安徳帝(右近)に「我を助けしは義経。あだに思うな、これ知盛」と言われて、すっと怨念が消えるんですね。

「昨日の敵は今日の味方、知盛、さーらーばー」

という安徳帝のセリフに、すでに怨霊だったかもしれない知盛が、すっと成仏するような、そんな舞台でした。

相模五郎の巳之助がとてもよかったです♪

 

【どんつく】

亀戸天神の境内で、荷物持ちの男がどんつくと囃しながら踊ったり、まわりのさまざまな登場人物たちもそれぞれに踊っていくというもの。

これは、踊りの名手、坂東三津五郎の3回忌の追善供養として行われるものです。

三津五郎の長男、坂東巳之助がどんつくを踊ります。


お父様の血をひいて、とても踊りの上手い巳之助さんが、軽やかに舞ってくれます。

 

今月の歌舞伎の一幕見ツアーは、最後の「どんつく」を観ますよ。

3月24日に行います。歌舞伎座ギャラリーで遊んでから、心ウキウキと「どんつく」を観ましょう。ぜひ、ご一緒に♪

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