さて、1月が終わりました。歌舞伎ファンにとって1月は興奮の坩堝。財布と時間のやりくりを考えつつ、嬉しい悲鳴をあげながらどこへいつ行こうか迷ってしまうのです。
東京の場合、新橋演舞場・国立劇場・浅草公会堂、そして歌舞伎座と4つが4つとも
「これは見逃せない!」という出し物ばかりで、正直困りました!
怒涛の1ヶ月が終わり、では2月はホッとできるかといえば、さにあらず。2日から始まった歌舞伎座で、またまたコーフンの出し物があるため、歌舞伎ファンは色めき立っているわけです。
今月人気があるのは、昼の部よりも夜の部です。なぜなら、十八世中村勘三郎の孫にあたるふたりの可愛い坊やが、襲名披露をするからです。
わたしは昨日、観てきました。
ふたりの可愛い坊やというのは、勘三郎の息子勘九郎の長男波野七緒八クンと次男哲之クン。二人はそろって、三代目中村勘太郎、二代目中村長三郎を襲名するのです。
初舞台が夜の部の「門出二人桃太郎(かどんでふたりももたろう)」。
これは、30年前に今の勘九郎、七之助が同じように初舞台を踏んだ思い出の舞台。さらには昭和34年に祖父勘三郎が初舞台を踏んだのも「桃太郎」でした。すごいことですよね。
肉屋も魚屋も、後継者がいないと嘆く昨今。3代も続けて芸を継ぎ、演目も同じとは一家の並大抵の努力ではないでしょう。
勘九郎、七之助にとっては、「自分たちの初舞台の時のオヤジの気持ちがいま痛いほどわかる」という今回の初舞台。親としての喜び、プレッシャー、いかほどのものでしょうか。
観客の思いもまた同じ。
「勘三郎さんが見ていたらさぞかし…涙」「勘九郎さんもなんとまあ、立派になったこと涙」と一家の気持ちと一体になって、その初舞台を愛で、ふたりのかわいい桃太郎の一挙手一投足にハラハラドキドキする1ヶ月となるはずです。
さて、それほどのものなら、じゃあ見ようかと思っても、なかなか今から夜の部のチケットをとるのは難しい状態です。
昨日の時点で、土日はほぼ売り切れ。
けれども平日は1等2等席は空いているところもあるので、お金も暇もある人は今からでも十分チケットを取れます。
その後2月5日時点では、平日もすべて売り切れになっています。テレビ恐るべし!
3階席は、平日休日ともにすべて売り切れです。
では一幕見はどうでしょう。
4時半上演の「門出二人桃太郎」の一幕見を見るには、売り出し開始は2時。
初日の行列は12時ころから始まったそうです。まあ気の早い方もいるのですね。
3時半に立ち見もすべて売り切れとなったそうです。
ちなみに、一幕見の立ち見はそれほど辛くないと思います。時間も1時間くらいですし、見晴らしもよいですし、体も動かせてかえって楽かもしれませんよ。
初日は3時半に売り切れとのことでしたが、おそらくこれからどんどん混んでくることが予想されます。昨日はテレビで密着中村家が放映されたこともあり「これは、生の舞台をぜひとも見なければ!」と思った人も多いはず。今日明日の土日は、かなりの混雑が予想されます。
千秋楽にむけ、次第に人が増えることも予想されるので、
いくのであれば
「なるべく早い日に」
「販売開始の30分ほど前に」
「少なくとも販売開始の2時前には」
チケット売り場に並ぶことをおすすめします!
こちらも、今回は12時には行くくらいの覚悟が必要かもですね!
一幕見の詳しい見方についてはこちらの記事を読んでくださいね!
歌舞伎を約1000円で楽しむ!「一幕見」のすすめ [歌舞伎] All About
なお、それで観られなくても当方は一切責任をもちませんので、あしからず!
わたしは夜の部に行ったのですが、「梅ごよみ」がとてもよかったので、別稿にてまた書きたいと思います。